Smiley face
写真・図版
甘辛さと食感が特徴の新商品。「つや姫」に合う味を追求したという=ジェイエイてんどうフーズ提供
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版

 山形県特産の尾花沢スイカで、育てる過程で摘果され廃棄されていた実を活用した漬物の新商品が完成し、県内の道の駅などで販売が始まった。他の原料も地元産にこだわり、ブランド米「つや姫」に合う「山形ならではの味」を追求したという。

 新商品は「つや姫に逢(あ)うお漬け物 米華蔵(まいかぐら)」。天童市の「ジェイエイてんどうフーズ」が企画、考案した。「米華蔵」はブランド名で、地元食材を使った「ごはんの友」シリーズの販売を今後予定している。今回がシリーズ最初の商品となる。

 同社によれば、尾花沢スイカの生産者が1本のつるで育てる実は3玉ほど。育ちのいい実に養分を集中させるため、選ばれなかった実は小さいうちに摘み取られ、廃棄される。摘果スイカの年間の廃棄量は推定で約700トンにのぼるという。

 同社ではこれを活用するだけでなく、付加価値をつけてブランド化することを目指した。県内製造の米こうじみそに何種類もの魚介だし、一味唐辛子を加えた特製のみそに漬ける。上品な甘みやうま味、独特の粘りやコシの強さで知られる県特産米の「つや姫」によく合う味わいになるように、試作を重ねたという。

 企画した同社経営戦略室シニアマネージャーの西塚誠一さんは「小さいスイカを皮ごと使っているので、柔らかい内側と、キュウリより歯ごたえのある外側がひとつになったクセになる食感」と特徴を話す。適度な甘辛さと共に、ご飯が進む一品になった。西塚さんは「山形の食文化の魅力が伝わる商品になった。捨てるものって安物だよね、といったイメージを覆したい」と意気込む。

 今回、使用した摘果スイカは1・5トンほど。「全体の廃棄量を考えればまだまだ少ない。これをきっかけに、未利用食材を活用する取り組みを今後も続けていきたい」とも語る。

 1パック(110グラム)税込み500円。道の駅天童温泉(天童市)や銀山温泉の「大正ろまん館」(尾花沢市)、同社の通販サイト「天の童(わらべ)」などから購入できる。

共有